この作品は比類のない品格を備えている。青々した緑から ベロネーゼグリーン、エメラルドグリーン、トルコ石色に至るまでの緑の色調変化と、パステル調の薄い青、力強い黒、くっきりとした岩の上に湧き出て浮かび上がる純白の滝というきめ細かい色のハーモニーによって、極めて質の高いものとなっている。
画家は、まだ野生が残っている自然の源泉に哀歌を捧げに行こうと誘っている。そして我々は、この「孤独な散歩者の夢」の中に夢中で画家を追いかけて行く。全てが然るべき位置におさまり、タッチも見事にピッタリしている。ここでは真の画家の手によって、感動と広い視点に導かれている。
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